マーケティングファネル

上の図をご覧ください。これはお客様が商品やサービスの購入(申し込み)に至るまでの行動を、4つの段階に分けて表したものです。
上層部は数が多い潜在顧客層になり、下のフェーズにいくほど人数が少なくなるため、漏斗(ファネル)のような形になっていますね。
このように顧客の行動段階を分け、その段階ごとに顧客へのアプローチを計画しようという考え方やモデルをマーケティングファネルと言います。
上の図では、①認知・気づき、②興味・関心、③比較・検討、④購入 に分けてあります。商品・サービスに合わなければ、適した内容に変更します。

マーケティングファネル、なぜ必要なの?

例えば、お店で欲しい商品が見つかって、購入しようか悩んだときに「店員さんからアドバイスを聞きたいな」と思うことがありますよね。でもそんなときに限って話しかけてくれなかったり。また、何となく商品を眺めているとき、「何かお探しですか?」と声をかけられて困ったことはありませんか?
この店員さんのように間違ったアプローチをしてしまうと、販売機会の損失につながる可能性があります。

その時々でユーザーの行動、心理状態に最適な対応があります。マーケティングファネルを設計することで、顧客の行動段階ごとに何を行えば次のフェーズへ進むかを想定でき、施策を立てられるようになります。

それでは段階ごとの内容をご紹介していきましょう。

①認知・気づき

まずは商品・サービスを「知ってもらう」段階です。
ここでは、すぐに商品が欲しいわけでなく、いずれ欲しいと感じていただけるような見込み客(潜在顧客)にどうすれば認知してもらえるか、を考えます。施策の一例をあげてみました。

オンライン広告に掲載

・純広告:メディアの広告枠(例 Yahoo!Japanなどのポータルサイトの広告枠)
・動画広告:YouTube再生前に流れる動画広告
・記事広告:ターゲットの近いメディアに記事形式の広告を出稿
・ソーシャルメディア広告:Facebook、Twitter、Instagramなどで広告を配信

集客コンテンツ・プロモーション

・SEO対策
・オウンドメディア・ブログ
・SNS(Facebook, Twitter, Instagram)、YouTube
・その他(CM、展示会、折込チラシ等)

オンライン広告は自社webページやランディングページにリンクさせ、商品・サービスの価値をきちんとお伝えします。クリックしていただくために、ターゲット層のニーズをよく把握して、キャッチコピーやビジュアルを作成しましょう。
予算やターゲットに合わせて効果的な媒体を選びます。

②興味・関心

まだ購入までは至らないけれど、「もっと知りたい」「気になる」というような興味・関心を持っていただいた段階です。さらに関心を高め、購買意欲をアップさせるために、どんな施策を行えばよいでしょうか。

(1)見込み客は情報を得るためにWebサイトを訪れます。営業マンの代わりとなるコンテンツを準備しましょう。

・商品・サービスの魅力
・どんな人・企業が扱っているのか、商品・サービスへの思い
・悩みに共感、見込み客のための価値のあるコンテンツを提供

また、見込み客の商品関連知識を高めることは、顧客を育てることにつながります。ノウハウブログなどのお役立ち情報の更新もおすすめです。

(2)興味を持ってくださったお客様は下記のようなアクションを起こす可能性が高くなります。

・ホワイトペーパー、ebookのダウンロード
・ターゲットの課題解決に役立つノウハウブログ等からメルマガ登録へ
・無料セミナーや相談会のお申し込み

ここでリードを獲得でき、新たな施策を立てることが可能です。このような次のステップにつながるコンテンツを考えてみましょう。

ホワイトペーパーについてはこちら >

③比較・検討

「他にもいい商品があるかもしれない」「本当にここで購入してもいいの?」
他社商品と比較したり、見積もりを依頼したり、必要な買い物なのかを検討している段階です。購入を前提に悩んでおり、あと一押しの動機付けがほしいところですね。
購入の決断が正しいと思えるようなコンテンツを準備しましょう。

・事例、体験談、お客様の声(信頼できて参考になります。)
・見込み客の不安を払しょくするための情報
・購入後のベネフィットを想像させるコンテンツ
・限定、緊急性「今なら」「残り〇個」
・お試し体験、シミュレーション

④購入(申込)

商品・サービスをご購入(申込)いただいた段階です。
ご購入後のアフターフォローを怠ると、リピート率が低下し顧客の気持ちが離れてしまいます。
実際に利用した満足度や不明点などの情報を集めて商品・サービスの改善に生かしたり、顧客ロイヤリティを高める施策を行っていきます。

・フォローメール、お礼
・アンケート
・SNSでコミュニケーションを維持
・アフターサポート

①~④の購入までのフェーズはパーチェスファネルとも言われています。
続いて購入後のインフルエンスファネルについてご紹介します。

インフルエンスファネル

ソーシャルメディアの普及で口コミの影響力が強くなり、購入後のマーケティングがより注目されるようになりました。ここでは、①継続、②ファン化、③拡散の段階に分けて、施策の一例をご紹介しています。

①継続

商品・サービスへの愛着、顧客ロイヤリティを向上させるための施策を立てましょう。
・顧客満足度の調査やニーズの収集でお客様の声に耳を傾ける
・手厚いサポート
・商品の改善・開発

②ファン化

ファン化した顧客は、友人や家族にも紹介してくれます。身近な存在からの紹介は信頼できますね。
・紹介キャンペーン
・アップセルやクロスセル(上位商品や関連商品の購入)のおすすめ

③拡散

気に入った商品をSNSで紹介、拡散し体験を共有してくれます。
そんな顧客の思いにこたえるには?
・誰かに教えたい、共有したくなるような商品・サービスの改善・開発
・会員限定の特典やメルマガ、優待割引など
・SNSの意見を商品改善に取り入れる

ダブルファネル

ダブルファネルとは、集客からアフターフォローまで、パーチェスファネル・インフルエンスファネルを統合して相乗効果を図ります。

おわりに

以上のように、顧客の行動を段階に分けることにより、施策のプランが立てやすくなります。また、どの段階のマーケティングができていないかを確認することも可能です。集客に重点を置くことが多いですが、実は育成が不十分であったりアフターフォローに課題があったりすることも。改めて気が付くこともあるのではないでしょうか。

消費者が多様化し、マーケティングファネルのシンプルな構図がはまりにくい商品もあるかもしれませんが、それぞれの段階で顧客の悩みに共感し、自社商品がどのように顧客の役に立てるのかを掘り下げて考えることが、顧客と近い関係を築いていくことにつながると言えそうです。