
人の心と体に影響を与える色彩の力とは?
購入予定が無くても、商品のカラーバリエーションを見て「自分だったらこの色がいいな」と、無意識で選んだことはありませんか? また、商品購入時、ブランドや性能が気に入っても、欲しい色がなければ購買意欲が下がりますよね。逆にぴったりの色があればテンションが上がります。商品色やサービスのイメージカラーは「購買意欲」を高める重要な要素なのです。
それでは、商品やサービスのイメージにどのような色を使用すればお客様に選んでもらえるのでしょうか。単純に多くの方に人気のある赤や青を使えば売れるというわけではありません。商品・サービスによってターゲットや意図は異なります。そこを明確にした上で、ユーザーの心理に影響を与える色彩を選ぶのが効果的です。
ここでは、色が持つ一般的な印象や特徴をまとめてみました。
赤が持つ色彩イメージ
情熱・アクティブ・元気・力強さ・積極的・熱さ・興奮・威圧
- ・波長が一番長い色
- ・注意喚起の色(信号機、消火器)
- ・交感神経を刺激し体温、血圧、脈拍をあげる
(赤い壁の部屋では体感温度が2、3度上がるとも言われます) - ・時間が経つのが早く感じる
- ・気持ちが高揚、やる気が起きる
- ・アドレナリン分泌、新陳代謝促進
- ・紅白はハレを表し、縁起が良い
赤を好む傾向が多いのは…
- ・リーダータイプ、アクティブな方
- ・元気が欲しい時
このようなことに期待・向いています
- ・スポーツや勝負ごとで士気を上げる
- ・冷え性、食欲不振に
- ・人を元気づけたい時、行動を起こさせたい時
- ・アピールしたい文言に
- ・飲食店、スポーツ関連、企業のイメージカラー
色彩が筋肉の緊張・弛緩に影響
視覚ではなく肌で色を感じ取り、筋肉の緊張度合いが変化すると言われています。「トーナス値」で表され、平常時は23。
赤が42と最も高く筋肉が緊張しています。橙は35、黄は30、緑は28、青は24。
「赤いお財布を使うと赤字になる」と聞いたことがある方も多いかもしれません。赤は行動を後押しする色なので、迷った時、購入を決断しやすくなります。
古来から太陽や血液など生命を連想させる色で、強いエネルギーを持つと言われる赤。本能にうったえる力が強いのかもしれません。
オレンジが持つ色彩イメージ
楽しい・親しみ・明るさ・元気・暖かさ・陽気・楽天的・独立
- ・親しみがあり楽しい雰囲気を作る
- ・不安・恐怖を和らげる
- ・交感神経を刺激し体温、血圧、脈拍をあげる
オレンジを好む傾向が多いのは…
- ・社交的、人づきあいが上手、人間好き
- ・前向き
- ・自立したい時
このようなことに期待・向いています
- ・冷え性、食欲不振に
- ・飲食店、カジュアルなお店、住宅、温かさを表したいサービス
- ・家族の温かさ
黄色が持つ色彩イメージ
明るさ・希望・夢・幸せ・ポジティブ・軽快・明晰・神経質・未熟・注意・危険
- ・注意喚起の色(通学帽・傘、信号、標識、踏切)
- ・明るい雰囲気を作る
- ・左脳(判断・記憶)を刺激する色
黄色を好む傾向が多いのは…
- ・ユーモアがある、知的好奇心が旺盛な方、知性的な方
- ・強い希望がある時
- ・甘えたい時
このようなことに期待・向いています
- ・食欲不振に
- ・飲食店、カジュアルなお店、温かさを表したいサービス
- ・脳を活性、頭の回転をスムーズにしたい時
- ・不安を解消したい時
茶色が持つ色彩イメージ
素朴・自然・伝統・温和・穏やか・落ち着き・保守・地味・退屈
- ・大地の色、安定感
- ・様々な色が混ざった色
- ・ナチュラルな飾り気のないあたたかさ、ぬくもり
茶色を好む傾向が多いのは…
- ・堅実
- ・コツコツタイプ
- ・腰が重い
このようなことに期待・向いています
- ・歴史・伝統を感じさせたい時
- ・リラックス効果
- ・アンティーク、おしゃれなイメージを与えたい時
緑色が持つ色彩イメージ
自然・健康・平和・調和・安らぎ・協調性・リフレッシュ・優柔不断
- ・草木・自然が持つ癒し、リラックス効果
- ・健康と成長のイメージ
- ・暖色と寒色の間「中間色」
- ・情緒の安定
- ・目を休める
- ・安全なイメージ(非常口)
緑色を好む傾向が多いのは…
- ・協調性がある
- ・保守的
- ・周りがうらやましく見えてしまう時
このようなことに期待・向いています
- ・ストレス減少
- ・健康関連、環境関連
青色が持つ色彩イメージ
冷静・冷たい・涼しい・平和・誠実・知的・爽やか・冷淡・憂鬱
- ・副交感神経を刺激し体温、血圧、脈拍を下げる
- ・心身を落ち着かせる
- ・時間が経つのが遅く感じる
- ・自然の食べ物に青は存在せず、食欲を減退させる
青色を好む傾向が多いのは…
- ・落ち着いて冷静に行動できる方
- ・内面的成長を求めている
- ・真面目、従順な方
- ・文化的才能のある方
このようなことに期待・向いています
- ・興奮を抑え冷静に判断
- ・信頼感を高める
- ・集中力を高める
- ・食欲を抑える
- ・催眠効果
- ・誠実な企業イメージ
紫色が持つ色彩イメージ
高貴・神秘的・上品・大人っぽい・芸術性・精神性・変化・悪趣味・孤独・不安定
- ・想像力、創造力、感性を刺激
- ・個性を感じさせる
- ・紫の染料が貴重だったことから古来より高貴の色とされてきた
- ・夕焼けや朝焼けの色、神秘的な色
- ・赤、青の相反する色彩の組み合わせ
- ・二面性のバランス、用い方では下品になることも
紫色を好む傾向が多いのは…
- ・カリスマ性がある
- ・美意識が高い
- ・精神的に豊かな人、人に奉仕できる人
- ・セラピスト
このようなことに期待・向いています
- ・心身が疲れている時
- ・瞑想
ピンクが持つ色彩イメージ
優しい・温かい・可愛らしい・幸せ・愛情・女性らしさ・幼稚・わがまま
- ・女性ホルモンの分泌を高め若返らせる
- ・気持ちを柔らかくする
- ・思いやり、おおらかな優しさ
ピンクを好む傾向が多いのは…
- ・充実している時
- ・幸せになりたい時、恋愛中
- ・かまってほしい時
このようなことに期待・向いています
- ・恋愛感情を意識
- ・女性らしいイメージを与えたい
- ・温かさを表したいサービス
白が持つ色彩イメージ
清潔・清楚・純粋・神聖・幸福・真実・孤独・薄情・空虚
- ・軽く感じさせる
- ・長時間見ると目が疲れる
- ・清潔感
- ・太陽光の波長を全て通す色
白を好む傾向が多いのは…
- ・柔軟性がある
- ・完璧主義
このようなことに期待・向いています
- ・リフレッシュ
- ・クリーンなイメージを与えたい
- ・治癒力を高める
グレーが持つ色彩イメージ
落ち着き・穏やか・シック・洗練・控えめ・不安・悲しい・空虚・無気力
- ・どんな色とも調和する色、他の色を引き立てる色
- ・不安を感じる曇り空の色
- ・曖昧な状態を表す色(グレーゾーン)
- ・わずかに色彩を加えれば日本人好みの粋な色合いに
グレーを好む傾向が多いのは…
- ・温厚、公平な方
- ・やる気のない時
- ・目立ちたくない時
このようなことに期待・向いています
- ・洗練されたイメージを与えたい
- ・無機質、都会的、スタイリッシュ、クールな印象を与えたい
- ・バランスをとりたい
- ・他の色のベースカラーに
黒が持つ色彩イメージ
高級感・格式・かっこよさ・上品・重厚・静寂・強さ・威厳・悪・絶望
- ・疲れにくい
- ・重く感じさせる
- ・他の色を目立たせる
- ・すべての色を内包
黒を好む傾向が多いのは…
- ・意志・信念が強い方
- ・ストレスがある時
このようなことに期待・向いています
- ・強い意志を与えたい
- ・プロフェッショナルなイメージを与えたい
おわりに
「そうそう」と思えることや「意外」に感じることもあったと思います。色彩が体に与える影響も大きいようですね。色のイメージは文化、経験、好みによって人それぞれな部分もあり、必ずしも自分の印象と同じではないかもしれません。
また、色は組み合わせることによって、新しいイメージに変わります。
ユーザーに与えたいのはどのようなイメージなのか。感情を動かす色彩の力を取り入れてみてはいかがでしょうか。