一人ひとりに最適な体験を。顧客体験価値を高めるパーソナライゼーションとは?
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パーソナライゼーションで顧客との関係性を構築
パーソナライゼーションとは、顧客一人ひとりに合わせた情報の提供やサービス対応を行うことです。
わかりやすい例が、ECサイトのレコメンド機能です。ユーザーの嗜好、購入履歴に合わせて類似商品や関連商品等が紹介されますね。興味のあるアイテムと比較でき、付属品等の買い忘れも減るので、お買い物が効率的になります。
パーソナライゼーションはWeb・アナログに関わらず、顧客満足度アップやコンバージョン率の向上に期待できます。
このような、ユーザーごとにアプローチを変えるパーソナライゼーションの考え方をマーケティングに取り入れることが重要視されています。今回はそのメリットや注意点についてまとめました!
パーソナライゼーションが重要視される背景
欲しい商品を探すのに苦労したことはありませんか? また、迷って考えすぎると選べなくなり、購入意欲も低下してしまいます。市場は商品やサービスであふれており、情報も大量に出回っています。
パーソナライズされた情報を届けることは、顧客体験の向上、売り上げの向上につながると考えられます。
ユーザーのニーズの多様化もあり、以前のように大勢のユーザーに向け、同じ内容を訴求するだけでは商品が選ばれなくなっているのです。
商品の価格より、誰からどのように購入したかを重視するユーザーも増えていると思います。パーソナライズされた顧客体験の価値が今後もますます求められていくのではないでしょうか。
また、AIの発達やDXで顧客データをもとにした、顧客ごとのきめ細かいサービスがさらに可能になっていくと考えられます。
パーソナライゼーション例
こちらはユーザーによって最適化されているサービスや施策の一例です。身近で当たり前のように使われているものが多いですね。
- ECサイト(関連商品 レコメンド商品)
- ブログ(関連記事)
- Web広告
- SNSタイムライン、SNS広告
- YouTubeや動画配信サービス
- イベントやフォローメール、メルマガ等マーケティングファネルに合わせた施策
- パーソナライズドコスメ(肌測定で顧客に合ったスキンケアを提供)
パーソナライゼーションのメリット
- 顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)の向上
- 顧客との関係性構築、リピーター獲得
- 顧客ごとのアプローチで効率的なマーケティングが行える
- 興味関心のあるコンテンツの提供で、サイトの滞在時間を延ばし、直帰率の低下が見込める
「効率よく気に入った商品を買えた」「労力なく欲しい情報が見つかった」等、ユーザーに心地よい体験や達成感をもたらすことが期待できます。
また、顧客への適切なアフターフォローがリピーターを増やし、つながりを深いものにします。
例えば購入後、「操作で困ってないですか?」「このようなアレンジもできますよ」等のメールが届いたらどうでしょうか。ユーザーは、使い始めた頃にちょうど欲しかった情報を得ることができ、また、気にかけてもらえているという特別感を感じられるかもしれません。
「他にも安いお店はあるけど、使い心地いいからリピートしたい」
「丁寧なアフターサポートでトラブルが解消した」
このように購入・操作の簡単さや、何かあった時にも親切に対応してくれる安心感が顧客満足度を向上させます。ユーザーにとっての身近で頼れる存在をめざし、どのタイミングで何をすれば喜ばれるかを分析してコンテンツや企画を届けていきたいですね。
また、ユーザーの関心の段階に合わせて適した施策を行うことで、コンバージョン率の向上が見込めます。
メルマガ配信、クーポン配信、アンケート、試供品プレゼント等様々な施策がありますが、もしどの段階の顧客にも一斉に同じ施策を行ってしまうと、ユーザーがしつこさを感じたり、企業側にもコスト・労力に無駄が出てしまうでしょう。
段階ごとの顧客へのアプローチについて、よろしければこちらもご覧ください。
パーソナライゼーション 注意点
- セキュリティ対策を徹底し個人情報の取扱いに十分注意する
- ユーザーの嗜好や環境は移り変わるため、適切に施策を見直し対応する
- CRMやマーケティングオートメーションツール等を使用する際は、適したものを選ぶ
「プレゼントで一度購入しただけ」「趣味が変わった」
このようなことから、ユーザーのニーズと提供する情報にズレが生じる場合があります。
また、顧客情報の流出を絶対に起こさないよう、データの管理が重要です。
パーソナライゼーションに必要な情報
パーソナライズに活用される顧客データがこちらです。
・性別、年齢、職業、年収等のユーザー属性(デモグラフィック)
・居住する地域、使用する時間帯(コンテキスト)
・購買履歴、行動履歴、興味、趣味(ビヘイビアー) 等
これらを分析し、それぞれユーザーにとって魅力的なコンテンツを予測し提供します。
有効なツール
パーソナライゼーションには、顧客情報の取得・管理・分析と施策の実行、システムの導入等、対応タスクが膨大です。「大手と違って導入は難しいのでは?」と考えてしまいますよね。これを全て自前で構築するとなるとコストも時間も大きな負担となります。
そこで活用したいのがマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
有名なサービスに、「SATORI(サトリ)」「b→dash(ビーダッシュ)」「Adobe Marketo Engage(アドビ マルケト エンゲージ)」「HubSpot(ハブスポット)」等があります。
プラン・コースにもよりますが、AIによるユーザーのモニタリング、顧客管理、パーソナライズされたコンテンツを表示するwebページ、行動分析・ファネル分析による最適化、ABテスト等、パーソナライゼーションに有効な様々な機能があります。低額から導入できるプランもありますので、気になったら資料請求等をしてみてください。
ツールを導入しないWebサイトの場合
ECサイトやSNS、動画配信サービスではパーソナライゼーションが浸透していますが、企業のWebサイトではなかなか導入が難しいですね。トップページに一つのインターフェースしかないというサイトがほとんどだと思います。
顧客ごとのパーソナルなコンテンツ表示ができなくても、それぞれのユーザーが簡単に目的を果たせるようなわかりやすい設計を追求できればと考えます。
例えば、訪れたユーザーがどのような経路をたどり目的達成に辿り着くかの導線は、目的ごとに異なります。その目的ごとの体験を仮定し、流れをわかりやすくスムーズにするためにUIを改善させていくことは可能です。
また、アフターフォローやお問い合わせ対応等は、それぞれの顧客情報に合わせて行うことができます。顧客数が多いと厳しいかもしれませんが、「押さえておきたい段階で施策を行う」等のように優先度をつけて行ってみても良いかもしれません。
おわりに
ユーザー一人ひとりに最適化した価値を提供することにより、売り上げだけでなくブランディングやコンバージョン等の結果が期待されます。何を求めているのか、どんなコンテンツを提供したらよいか。顧客データを活用・分析し、よりユーザーに寄り添ったコミュニケーションをとれるよう施策を行っていきたいですね。
また、データやツールに頼るだけでは対応できません。「一人ひとりと接客している」「顧客が求めているものに応えたい」そうした企業の想いがコンテンツのブラッシュアップやコミュニケーションに表れてくると思われます。企業と顧客ですが、人と人として、おたがいの距離が身近に感じられるようなコミュニケーションをとっていけたら、さらによい体験を届けられるのではと感じます。