開業に必要な情報や許可・資格とは?

ネットショップを開業するにあたって、どんな情報の公開が必要でしょうか。
表記しなければならないこと、決まりはあるのでしょうか。
オープン予定間近で慌てないように、必要な情報や許可についてあらかじめ確認しておきましょう。

ショップ情報の表示義務「特定商取引法に基づく表示」

「特定商取引法」とは、消費者を守るための法律です。消費者トラブルを防止するため、ネットショップには「特定商取引法」に基づきショップ情報を公開する義務があります。
どんな内容を表記すればよいのかまとめてみました。

販売事業者 法人の場合は登記されている会社名、個人の場合は個人名、個人事業主の場合は、個人名または登記された商号
屋号・店舗名 ショップ名
運営統括責任者 販売責任者名
所在地 本店の住所
電話番号 お問い合わせを受ける為の電話番号、受付時間
FAX番号 FAXがある場合に記載
連絡先メールアドレス お問い合わせを受ける為のメールアドレス
商品の価格・詳細 商品が多い場合は「各商品ページをご覧ください」等と記載
(価格は2021年4月から、総額表示が義務付けられています)
注文方法 商品を受注する方法(ネットショップのフォーム、メール、電話、FAX等)
支払方法 銀行振込、クレジット決済、コンビニ払い、代金引換等使用できる決済方法
商品代金以外の必要料金 消費税、手数料、送料について
※クレジット決済手数料はお客様に請求することはできません。
販売数量の制限 特別な販売条件がある場合に記載
お申込み有効期限 「ご注文後〇週間」「銀行振込の場合は注文日より〇日以内」等、支払期限を記載
商品引き渡し時期 どのくらいで発送できるのか
例「ご注文確定後、〇営業日以内に発送」「ご入金確認後、〇営業日以内に発送」
返品・交換について 返品特約がある場合は記載。どんな場合に返品・交換が可能か、返品期限や条件、送料について
資格・免許 扱っている商品に許可が必要な際に記載

行政規制について

特定商取引法の通信販売についての詳しい概要は特定商取引法ガイドに記されています。行政規制や民事ルール等に目を通し、表示義務や禁止されている内容を必ず確認しておきましょう。

行政規制
  • 1.広告の表示(法第11条)
  • 2.誇大広告等の禁止(法第12条)
  • 3.未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止(法第12条の3、12条の4)
  • 4.未承諾者に対するファクシミリ広告の提供の禁止(法第12条の5)
  • 5.前払式通信販売の承諾等の通知(法第13条)
  • 6.契約解除に伴う債務不履行の禁止(法第14条)
  • 7.顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)
  • 8.行政処分・罰則
民事ルール
  • 9.契約の申込みの撤回または契約の解除(法第15条の3)
  • 10.事業者の行為の差止請求(法第58条の19)

出典 特定商取引法ガイドより

個人の場合の電話番号や住所も必要?

個人で運営する場合でも、自宅の電話番号や住所等の個人情報を公開しなければならないのでしょうか。

特定商取引法ガイドによると、条件を満たせば「省略できる」とあります。

消費者からの請求によって、これらの事項を記載した書面 (インターネット通信販売においては電子メールでもよい)を 「遅滞なく」提供することを広告に表示し、かつ、実際に請求があった場合に「遅滞なく」提供できるような措置を講じている場合には、 下の表の通り、広告の表示事項を一部省略することができることになっています。

出典 特定商取引法ガイドより

「ご請求があればすぐに情報をお知らせします」という内容の但し書きを記載し、請求された際に速やかに情報提供できれば、氏名や電話番号、住所等をネットに公開したままにしなくても済みそうです。

しかし結局、お客様から情報を知りたいと希望されれば、お答えしなければなりません。
自宅の電話番号や住所を知られるのは抵抗がありますね。

ネットショップ専用のスマホを用意したり、レンタルオフィスの契約をされる方もいらっしゃいます。コストはかかりますが、個人情報を晒すというリスクが軽減されます。こちらも検討してみてはいかがでしょうか。連絡先をはっきり記載されている方がお客様が安心して購入できる、というメリットもあります。

返品・交換について

ネット販売には、クーリング・オフ制度がありません。よって返品・交換については、お店側でルールを決めて、「返品特約」としてこちらに表記します。
返品を受け付けないつもりでいても、もしこの表記に不備があった場合、クーリング・オフと同様、商品到着の8日以内(到着日含)なら返品が可能になります(送料はお客様負担)。
例えば「お客様都合による注文後の返品・交換(サイズ交換含む)は、原則お受けしておりません。万一不備があった場合は…」等と記載し、どんな場合にどのように対応するのかをお伝えします。
お客様にご安心・ご納得いただけるような、分かりやすい表示が、購入時の信頼につながりますね。

ネットショップ開業に資格や許可は必要?

ネットショップをオープンするのに、扱う商品によっては資格や届け出が必要になります。
商材の一例がこちらです。

  • ・食品の販売(食品衛生責任者、食品衛生法に基づく営業許可)
  • ・酒類の販売(通信販売酒類小売業免許、一般酒類小売業販売免許)
  • ・医薬品の販売(薬剤師または登録販売者)
  • ・化粧品の製造販売(化粧品製造販売許可、医薬部外品製造販売許可)
  • ・中古品の販売、買取(古物商許可)

食品、健康食品はパッケージされた加工品であれば許可は必要ない場合もあります。保健所等にご相談ください。

資格や許可以外にも満たさなければならない条件があるものも。開業前にあらかじめ、これから販売する予定の商材についての確認が必要です。

ネットショップに開業届は必要?

個人で事業を行う場合、本業でも副業でも、開業届を提出することは義務付けられています。
ですが、罰則は特になく、届け出無しでもネットショップを開いている方も多くいらっしゃるようです。

ただ、売り上げを作り20万円以上の所得を得た場合、確定申告を行う必要があります。
開業届を出すメリットとしては、個人事業主ならば青色申告を行うことができ、節税が期待されます。また、屋号で銀行口座の開設が可能です。振込口座に個人名でなくお店の名前が入っていればお客様の安心度が高まるでしょう。
逆にデメリットとしては、開業届の提出で、失業手当を受けられなくなったり、家族の扶養から外される可能性が出てきます。

どちらにしても、きちんとした帳簿や正しい会計が必要です。
「売上計上日はどのタイミング?」「経費には何が含まれるの?」
安心して運営を行うために、オープン前に経理についても確認しておきたいですね。

おわりに

ネットショップに義務付けられていることは、ほとんどお客様の安心につながることですね。安心や信頼がリピーターを作り、売り上げにも大きく関わってきます。直接お客様とお会いできない分、お客様目線でできるだけ分かりやすく情報をお伝えしていきたいですね。

事業を始めれば責任が生じ、判断すべきことも増えてきます。準備に忙しいですが、一つひとつ確認しながら進めていきましょう。

ネット販売が禁止されている商品や、無許可での販売に重い罰則のある商材もあります。こちらのページで紹介した内容は2021年3月時点の情報です。最新情報をご確認いただき、不安なことは各管轄のへ相談やお問い合わせいただければと思います。