ネットショップで世界観をつくる

「ネットで購入したけど、販売店のことはあまり覚えていない…」そのようなことはありませんか?
欲しい商品を比較して安いお店で購入できることがネットショップのメリットです。たくさんのサイトをチェックしてお得なお店で購入、強く印象に残ることがなければお店のことは記憶から薄れてしまいます。

商品ではなくお店自体に満足していなければ、お客様はリピートすることにこだわらず、次も価格で商品を選ぶかもしれません。「選んでもらうためにまた価格を下げる」という価格競争に巻き込まれないために、まずは「このお店は良かった」「購入するなら次もここで」とお店のことを記憶に残してもらう必要があります。

選ばれるECサイトのブランディング

それでは、お客様の心に残るお店づくりのために、何をしてどんなサイトにしていけばいいのでしょうか。
お店の差別化に「ブランディング」が大切だとよく耳にします。
お店の強みや商品へのこだわり、コンセプト、世界観などの要素でできたお店の価値。それを発信して、お店や商品のイメージアップを図っていきたいのですが、どのように表現したらいいのか難しいですね。

ここでは「ブランディング」に不可欠な「世界観」について考えたいと思います。

世界観とは?

ここで言うお店の世界観は、
・そのネットショップが持っている信念やこだわり、統一されたデザインや価値観、お店らしさ
・お客様がお店に接することで生まれる、お客様の中の「お店の個性やイメージ」
として考えたいと思います。

世界観がつくられることでこのようなメリットが期待できます。

  • ・共感がファンを増やす。親近感・愛着が生まれる
  • ・一目でお店のものであることが伝わる
  • ・お店の価値・ブランドを大きく見せる
  • ・感情が動けばで印象に残りやすい

世界観をつくる

世界観と言われても漠然としていて、何をどうすればいいのかはっきりしませんね。
ではこのように考えてみるといかがでしょうか。

あなたのネットショップは、お客様にどのような印象を持ってもらいたいですか?
お客様がサイト訪れた時、どのような感情になってもらいたいでしょうか。

例えば、
「手芸店でお店の対象のお客様が若いOLさん、普段お仕事で忙しいけれど、自分の時間を大切にして趣味も楽しんでもらいたい。サイトに来たときは可愛いものをたくさん見てワクワクした気持ちになってほしい」
このような思いをお持ちなら、デザインの方向性は気持ちが弾むような可愛くて楽しいイメージですね。そのイメージを具現化するには何色を使って、どんなモチーフを入れて、どんなコンテンツを作ろう…とイメージに必要なピースが挙がってきます。

このようにコンセプトが定まっていれば、方向性が決まり、突き詰めていくことで世界観をつくっていけるのではないでしょうか。

デザインでつくる世界観のポイント

サイトデザインはもちろん、梱包やチラシ、お店からのメッセージ等、できればお店とお客様の接点となる全てのデザインに統一感を持たせお店らしさを出したいですね。

ロゴマーク

ロゴマークはお店の顔となります。お店のコンセプトや商品をイメージさせるもの、覚えてもらいやすいものが望ましいですね。こだわりや思いを込めてデザインしましょう。なぜこのカタチにしたのか、どんな意味があるのかが伝わるロゴマークは、信頼や共感につながります。

お店のメインカラー

色が持つチカラを味方にして、お客様に与えたい印象をつくります。赤は快活さ、青は安心感…等、色彩が与える心理効果を取り入れましょう。カラーが異なるだけで大きな違いが出てきます。

写真の使い方

統一感のある写真を使用し、同じ形・サイズで並べたり、同じ配置を繰り返してリズムを作ったりと、自分のルールを決めて配置してはいかがでしょうか。また、日常の中に商品を馴染ませたストーリー性のある写真で、「こういうのいいな」「こんな風に使ってみたい」と思ってもらえる共感される画像を取り入れていきたいですね。

フォント

書体によっても印象が変わります。親近感がある「ゴシック体」、上品で優雅な「明朝体」、柔らかい印象を与える「丸ゴシック体」がおすすめです。あまり個性の強いフォントを多用すると、可読性が下がり読みづらいサイトになってしまうので注意しましょう。

イラストを使用してみる

アナログのイラストで温かみを出したり、ポップな色遣いで親近感を与えたり…。統一感のあるイラストを使用することでオリジナル性や凝った印象を出せます。また視覚的に情報を伝えることができ、使い方によって分かりやすいサイトにすることができます。

ただ、オリジナリティを出そうとして分かりにくいサイトになったり、可読性が落ちるのはNGです。優先させるのはお客様の使い心地になります。

コンテンツでつくる世界観

見た目だけでなく、コンテンツでも差別化を図ります。

商品をおすすめする商品紹介ページとは分けて、商品に関連した雑学や使用例、エピソードを紹介してお客様が商品を使う場面をもっと楽しく豊かにするための情報を提供します。

お客様に喜んでいただける記事を定期的に投稿することで、このような効果が現れます。

  • ・お店の専門性に信頼が生まれる
  • ・いつも新しい情報やアイディアがここで得られる、買い物が無くても訪れたいサイトに
  • ・書き手の思いや考え方、人柄に触れて愛着が生まれる

私たち消費者は「モノ」より「コト」を重視するようになったと言われます。所有ではなく、モノを使うことによって得られる時間や思い出に価値を感じています。
お客様の大切な時間をより充実させるための記事を投稿していくことは、商品以上の価値をお届けすることになりますね。

コンテンツをアップしていくのは大変なことですが、ただ見栄え良く商品が並べられたサイトよりもお客様の心に響く思いがこもったお店となっていくでしょう。お客様の感情が動けば記憶に残り「他とは違う特別なサイト」と認識されます。

おわりに

このようにお店の世界観を積み上げていく中で、お店のブランドが確立しお客様をファンに変えていきます。お客様がお店のロゴマークを見るだけでポジティブな気分になってくれたり、ちょっとしたノベルティやパッケージでも楽しい気持ちになってくれたら大成功ですね!

デザインやコンテンツの他にも、お店の考え方が現れる部分は世界観を形作ると思います。例えばお問い合わせのレスポンスの速さ、丁寧な対応、温かみのあるメール等はお店の印象を底上げします。

全部を完璧にしようと思うと厳しいので、できる部分から少しずつ取り組んでいきたいですね。

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