DXを意識したWebサイトリニューアル

日本は「労働生産性」が低いと言われています。
経済産業省のDXレポートが提示した「2025年の崖」。企業がこのままDXを進めない場合、2025年以降なんと最大12兆円(/年)の経済損失を出してしまうとのことです。

「DX(Digital Transformation デジタルトランスフォーメーション)」とは、AIなどのデジタル技術やビッグデータの活用により「業務効率化」「新しい価値の創出」「組織改革」を行うことです。
対応内容として「レガシーシステム刷新」「ペーパーレス化」「アナログからデジタルへの移行」「クラウドサービスの活用」「専門家へ相談」などが挙げられます。
ここではDXの考え方で行う、Webサイトのリニューアルについてまとめてみました!

生産性を上げるWebサイトとは?

古いサーバー環境やWebサイトの弊害に「セキュリティリスクが高まる」「メンテナンスに時間がかかる」「新しいプラグイン(機能)が使えない」「運用しづらい」「顧客へのイメージ低下」などが挙げられます。このままでは効率の良い運用はできません。
リニューアルすることで「マーケティング効果」だけでなく「運用のしやすさ」「スタッフの使い勝手」を追求し、Webサイトの生産性を向上させることが大切です。

まずは、Webサイト運用で業務効率化を図るにはどのようなサイトが望ましいのか考えてみました。

①運用しやすいWebサイト

コーディング知識のないWeb担当者様の場合、htmlの静的ファイルでの更新よりもWordPressなどのCMSがおすすめです。コンテンツに集中でき、効率よく更新することができます。

また、頻繁に更新する項目がある場合、その投稿用のフォーマットを作っておけば作業がより簡単になります。今後どのように運用していくか、ぜひプランを制作会社にご相談ください。

投稿は大変ですが、コンテンツマーケティングではブランディングやSEO対策も可能です。いつも新しい情報があることで、ユーザーへ安心感を与えることもできます。投稿の負担を減らすことで、投稿の継続、質の向上を行いサイトの価値を高めていきたいですね!

②お問い合わせの対応時間を短縮するFAQやチャットボット

充実した「よくあるご質問」のコンテンツを準備することで、お客様からのお問い合わせを減らすことができます。ユーザーも満足し、スタッフの対応時間もストレスも軽減されれば本当に助かりますね!

質問の多い項目には動画を配置するのもおすすめです。文章や言葉では伝えにくい内容も、動画なら理解していただきやすいでしょう。詳しい資料などの掲載があると、お客様に見ていただきながら説明できるので便利です。お客様へのご案内だけでなく、スタッフがそれを見返したり、学んだりすることも可能です。

費用対効果によってはチャットボット導入も。蓄積された情報から回答する「AI型チャットボット」、ユーザーの選択肢から回答を出す「シナリオ型チャットボット」があります。ユーザーは気楽に質問でき、解決されれば顧客満足度が向上します。チャットボットにもよりますが、すべての質問に対応できるわけではなく、費用がかかるのがデメリットです。

③SNSとの連携

SNSの運用でサイトへの流入数が増えることが多いです。ぜひマーケティングに取り入れたいですね。
SNSからトップページに誘導しても良いですが、SNSユーザー用の親近感のある特設ページを用意することもできます。

WebサイトからSNSへの流れも見込めます。WordPressなら、SNSのフィードの埋め込みが簡単!埋め込むことでSNSにアップした最新の投稿がWebサイトに表示されます。

SNSでは、リアルなユーザーの声を集めることが可能です。情報の蓄積、顧客との信頼関係の構築は、今後の商品開発やサービスの向上、新しい価値を生み出す宝となります。
また、SNSのコメントは見込み客にとって第三者の信頼がおける情報になります。「お客様の声」ページへの掲載も可能です。口コミやUGCが増えるような愛されるアカウントを目指したいですね!

④目的に合ったフォームの設置

お問い合わせやお見積りフォームの見直しを行いましょう。
ユーザーは「面倒」と感じたらフォームの入力をやめてしまいます。また、必要な情報が得られず何度もお客様とやり取りをすることにならないように、項目の不備にも気をつけます。お問い合わせの効率化で顧客満足度が改善されます。

また、アンケートフォームの設置を行うことができます。
お問い合わせや購入後のフォローメールで、アンケートページへ誘導し(アンケート回答には特典付きで)お客様からの感想やご意見をいただくなど、情報収集の仕組み化を行ってみてはいかがでしょうか。

DXの考え方を取り入れたWebサイトリニューアル

ただ新しい技術を導入し、スタッフが便利になるだけではDXに取り組んだことにはならないでしょう。
一人ひとりの労働生産性を上げ、競争力のある強い企業をつくるには下記のようなステップが必要だと考えられます。

  • ①スタッフの意見を集め、社内の課題を把握する
  • ②理念やビジョンを元に戦略を立てる
  • ③デジタル化による業務効率化
  • ④データの蓄積、活用
  • ⑤顧客のニーズに対応したビジネスの設計、組織の変革

DXが進まない失敗例に「ITに詳しい社員にすべてを任せる」「DX専門のコンサルに丸投げ」「戦略を立てずに導入」などがあると言われます。Webサイト制作やマーケティングと同様にDXでも明確なコンセプトが重要なようです。

「業務の中でスタッフが抱えている課題は何か」「描いているビジョンに辿り着くためにどのような技術が必要なのか」「DXの推進によって、顧客に届ける新しい価値をどのように創出するか」

これらのことをWebサイトリニューアルにあてはめてサイトを設計してみてはいかがでしょうか。見栄え・デザインの刷新だけでなく、新しい顧客体験の構築による、効果のあるサイトを目指したいですね。

おわりに

日本の経済力低下を阻止するにはDX推進が不可欠だと言われています。また、危機意識を持って一人ひとりの労働生産性を高めていくことが必要です。

また、DXは最新技術を導入して効率化を図るだけではありません。効率化、データ活用で顧客のニーズに応える価値をつくり、変化に揺るがない企業をつくることが目的だと考えると、どこまでも追及できる課題に思えます。
小さな時間のロスも積み重なれば大きくなります。Webサイトの生産性向上についても、できることから実践していきたいです。